Yuko Nagai
「I pray」
更新日:2019年8月12日
1763年にフランスで出版された『寛容論』。
フランスの哲学者、文学者、歴史家であるヴォルテールが、ある冤罪事件をもとに宗教的寛容を訴えるべく筆を執ったのが、 この『寛容論』。
この中でヴォルテールがしたためた、ある文章に私は衝撃を受けました。
これぞまさしく「祈り」だと。これ以上もこれ以下もない、完璧な祈りの言葉が、そこにはありました。
私は、ずっとずっと昔から、きっと生まれる前から、この祈りを探していたと思います。
『寛容論』(1763年、フランス、著者ヴォルテール)より。
「私が訴えるのは、もはや人類に対してではなく、それはあらゆる存在、あらゆる世界、あらゆる時代の神であられるあなたに向かってである。
なにとぞ、われわれの本性と切り離し得ない過ちの数々を、哀れみをもってご覧くださいますよう。 これらの過ちがわれわれの難儀のもとになりませぬよう。
あなたはお互いに憎しみ合えとて、心を、またお互いに殺し合えとて、手を、われわれにお授けになったのではございません。 苦しい、つかの間の人生の重荷に耐えられるように、われわれがお互い同士助け合うよう、お計らいください。
すべて滑稽なわれわれの慣習、それぞれ不備なわれわれの法律、それぞればかげているわれわれの見解、われわれの目には違いがあるように思えても、あなたの目から見れば、なんら変わるところのない、われわれ各人の状態、それらの間にあるささやかな相違が、また「人間」と呼ばれる微小な存在に区別をつけている、こうした一切のささやかな微妙な差が、憎悪と迫害の口火にならぬよう、お計らいください。
すべて人は兄弟であるのを、みんなが思い出さんことを。」
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「I pray」
作詞・作曲/永井優子
編曲/Cross-section
私のために祈りたいわけではないのです
叶えたい願い事があるわけでもないのです
uh yeah uh yeah uh yeah
世界の果てで 蝶が羽ばたいても 知る由もない ah
その虚しさを 受け止め合えるように uh yeah
I pray
あなたのために祈りたいわけではないのです
訴えたい世迷言があるわけでもないのです
重い荷物を 背負ったままで おろすわけにはいかない
このわざわいに 手を貸し合えるように uh yeah
I pray
ずっと探していた祈りは 何百年も前に届けられていて
今、出会うまでのこの時間差は なんて狂おしいのでしょう

#Cross-section
#I pray